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技術情報

ステルス型RNAベクター

ステルス型RNAベクターとは?

ゲノム構造としてマイナス一本鎖RNAを持ち、長期間細胞質内で安定した遺伝子発現を可能にした発現ベクターです。

レンチウイルスは遺伝子(DNA)を染色体に挿入し、AAVは遺伝子(DNA)を染色体に挿入しなくても核で安定化させますが、ステルス型RNAベクター(SRV)は遺伝子(RNA)を細胞質で安定化します。

RNAウイルスは細胞質における遺伝子発現系として知られていますが、細胞毒性が強く、細胞内での長期的な遺伝子発現は不可能です。1979年、広島大学の吉田博士はセンダイウイルス変異株としてクローン151を発見しました。その後の長い研究で、クローン151はセンダイウイルスのゲノムに多くの変異を有し、その中に細胞毒性を欠く変異や長期間にわたり安定した遺伝子発現を可能にする変異が明らかにされました。 この一連の研究から、人工的に合成したRNAをゲノムとするSRVが開発されました。

SRVは、ウイルスのエンベロープと人工合成したRNAゲノムからなるキメラ遺伝子送達/発現系です。ウイルスエンベロープは効率的な遺伝子送達をもたらします。その上で、SRVはゲノムの97%以上がヒト細胞に対して最適化されています。この最適化は、侵入したゲノムRNAに対する宿主細胞の防御システムを回避することを目的としたもので、RNAを人工合成して最適化し再構築を行うことで、in vitroおよびin vivoで安定かつ持続的な遺伝子発現を目指すものです。

SRVの最大の特徴は、ベクター上に少なくとも10個の遺伝子(合計≦13.5 knt)を搭載することが出来、それらを同時に発現させることを可能にしていることです。